誰もやらないからアムコンがやる。

Episode3:つり革が日本を変える! ~ヴァルート™誕生~

電車内のいつもの光景が教えてくれた

くし刃の代わりに目詰まりを防ぐ方法は何か無いか――。
開発メンバーが絶望的な結論に到達していても、創業者の信念は揺るぎませんでした。

「積層型が悪いのではない。
くし刃の代わりに目詰まりを掻き出す方法がきっとあるはずだ。」

1992年、正月明けに電車に乗った時のこと、解決策のヒントが突然目の前に現れました。
丸くゆらゆらと揺れる白い輪「つり革」が連なる風景――。

「これだ!!
リングを積層した濾過体にスクリューを入れて動かせば、
目詰まりを掻き出す効果が得られるのではないか?」

早速、社に戻った創業者は開発メンバーに話を伝え、
寝食を忘れて試作機づくりに取り組みます。


改良型ヴァルート™誕生

「固定リングと可動リングを積層した濾過体」
「中心を貫くスクリュー」

から構成された、改良型ヴァルート™試作機は、
これまでの課題を全て解決しました。

「多重板型スクリュープレス」に改良されたヴァルート™は、
隙間を保ってリングを積層した濾過体の中を、
一定速度で回転するスクリューが汚泥を濃縮脱水し、
水分を濾過体の隙間から排出する構造。

濾布の縦糸と横糸で構成される濾過面に対し、
リングを積層した濾過体の濾過面は横糸のみのような状態です。
元々目詰まりしにくい構造に加え、
改良型ヴァルート™は「可動リング」が目詰まりを掻き出す構造になっています。

人がフラフープを回すように可動するリングは、濾過面の目詰まりを常に清掃するのです。


これまでの『常識』が打ち破られた先へ

この改良方式により、これまで世の中になかった
洗浄水がいらない汚泥濃縮機・脱水機 が実現しました。
(※濾過体に付着した汚泥を流すための間欠的シャワーリングを行いますが、目詰まり防止洗浄とは異なり、使用水量は極少量です。)

目詰まり防止のための洗浄水が不要な、濃縮機・脱水機の開発に成功した後、
すぐに開発チームは次の目標に向かいました。
汚泥を脱水減容するだけではなく「活用」することへの挑戦です。

1996年には、
汚泥脱水ケーキを発酵させることで養分あふれる肥料にし、
汚泥を大地に戻す
ことが出来る農業集落排水処理施設向け汚泥処理装置
「デルコンポシステム」の開発に成功しました。

「誰もやらないから アムコンがやる」

私たちの強みの原点は、私たちが自ら汚泥濃縮機・脱水機を開発し、
実際にユーザーとして使用してきたこと。
私たちがユーザーであったからこそ、
現場で実際に日々汚泥と向き合う方の気持ちがわかる、
お客様にあったサービスや製品を提供出来ると考えています。
現状維持は衰退と同義。
「創っても、創っても、完成しないものづくり」 を、
今も私たちは続けています。

「ヴァルート」及び「VOLUTE」はアムコン株式会社の登録商標です。